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執筆者の写真大池 諭

キャリア自律はなぜ進まないのか?

更新日:5月23日

「キャリアデザイン」や「キャリア開発」などと題した研修をミドル層を中心に実施する会社は増えてきている。それでもやはり中小企業ほど実施率は低いのが実情と思います。

研修の満足度など一定の効果は確認できても、本来の目的や狙いとのギャップを感じている人事担当者は多いのではないでしょうか?


先ごろ内閣府が発表した「経済財政運営と改革の基本方針2023」を見ると三位一体の労働市場改革が掲げられている。要するに労働者が自らの意思でキャリアを築き、生産性を上げて賃金を上昇させることが急務であると示されている。

政府もまた「キャリア自律」は途上にあるとの認識を示している所以なのでしょう。


キャリアデザインはリスキリングの前にあることが重要

ここで「三位一体」について触れておくと、1_リスキリングによる能力向上

2_職務価値に基づく処遇 3_成長産業への人材流入 この三位が一体となって構造的賃上げの土台形成を目指すと読めます。筆者はここに、0_キャリア自律を挿入して四位一体が重要だと提唱したい。


「キャリア自律」の姿や形はひとり一人異なります。ライフイベントの影響は避けられないので変化への適応や様々な選択も伴うものですが、少なくとも以下の要件を満たしている必要があります。


1.ライフとワークのバランスに関して”自分なり”の答えを持っている

2.自己決定に基づく短期/中期/長期のキャリア目標を持っている

3.目標達成のための計画(キャリアプラン)を掲げ、日々実践している

4.情熱を絶やさない習慣形成ができている

5.キャリアプランをメンテナンスする環境を確保している


この5要件が揃ってはじめて「キャリア自律」は確立できていると言えます。

注目して欲しいのは5要件のすべてが現在進行形であること。



キャリアプランは動的であること

静的ではなく動的

集合形式のOff-JTによるキャリアデザインでは、過去の体験を振り返り自身の強みや価値観を把握したり、将来のシナリオを描いたりしてキャリアプランを導きます。しかし折角プランニングしたアウトプットなのに、そのまま放置(停滞)してしまっているケースは少なくありません。またその出来栄えは個人によってマチマチ。これではそれこそ絵にかいた餅になってしまう恐れがあります。

ここで考えられる原因は、1_キャリアをデザインすることに慣れている人はごく僅かであり、2_キャリアプランを描いてみたけどこれで本当に良いのか不安で、3_実行できるレベルまでプランは熟成されていないことです。


自己内対話より他者との対話
他者との対話が真の価値観やWillを導く

人と話すことで気づいていなかったことに気づかされた、という体験を持っている方は多いのではないでしょうか。

私たちは日常1割程度の顕在意識の中で生活しているなどと言われます。キャリア自律を考える上で自己洞察は不可欠です。つまり自己理解ですね。

自分の価値観や心底求めているものを解き明かすためには、無自覚領域である潜在意識下へ働きかける必要があります。自分は何者なのか?何は譲れないのか?など自分で問いを立てて、自分で探索するという作業を行ってみるがなかなか出てこない!これは言うなれば自己内対話の限界でもあるのです。内に秘めたる価値観やWillを導くためには他者との対話を活用することが大切です。



ヒュートレックスでは真のキャリア自律をもたらし、組織の活性化につなげる独自のメソッドをキャリアコンサルティングとしてご提供しています。



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