キャリアサバイバルとは、企業内キャリアコンサルティングの一つの形。
70歳ないしは75歳それ以上の職業生活の長期化を踏まえ、「組織の要請」と「個人のありたい姿」との調和・統合を図り、自律的なキャリア形成を目指すことです。
キャリアサバイバルは何を目指す?
「キャリアコンサルティング」と聞くと就職支援や転職支援のイメージを浮かべる方は多いのではないでしょうか。実際に国家資格を持つキャリアコンサルタントの活動領域は、学校のキャリアセンター等における教育領域、ハローワークや民間就職支援会社における就職支援領域が大勢です。
キャリアサバイバルとは、キャリアアップやキャリア実現を目指し新天地を開拓するのとは真逆で自身が身を置く組織の中で自律的なキャリア形成を目指し、組織の持続成長を支えながら自己実現を目指すものです。
キャリアサバイバルが求められる背景
2023年の出生数は80万人を切る様相で、岸田内閣は「異次元の少子化対策」を打ち出しました。少子高齢社会を端に発する労働人口の減少は、慢性的な担い手不足を招き今や待ったなしの状況と言えるのではないでしょうか。
これらを補うためにも職業生活の長期化は避けては通れない命題となりました。
この”長期化”への対処は単なる「定年退職の先延ばし」で片付く問題ではないのです。
ここ最近「リスキリング(Reskilling:再教育)」がホットワードとして取りざたされています。
産業全体のDX化が進む中、デジタル人材の不足を補う方策として、また変動性/不確実性/複雑性の高まりは経験則で培ったスキルだけでは対処できなくなったことを背景に注目を浴びるようになりました。
リスキリングはIT関連スキルを中心に語られることが多いようですが、リスキリングはテクニカルな
スキルだけを対象とはしません。
リスキリングは「キャリアアンカー」を把握した上で取り組むことが重要
リスキリングは否応なく変化する職務ニーズや組織の要請に応えるために、捕捉したスキルを身につけるものです。しかしながら自己のコンピタンス(持って生まれた才能や得意なことなど)や価値観を無視して何でも取り込めば良いものではありません。
自身のキャリアアンカー、つまりどうしても犠牲にしたくない本当の自己を象徴するコンピタンスや動機、価値観に合致する(または親和性の高い)スキルを選択することが重要なのです。※引用:キャリア・アンカー エドガーH・シャイン著
キャリアサバイバルは、キャリアアンカーを探索することからはじまります。
続く
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