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問題と課題の違いを理解した方がいい理由とは?

執筆者の写真: 大池 諭大池 諭

更新日:2024年10月20日

ビジネスにおける問題と課題の違いを理解して使い分けている人からすると、何を今更?そんなの当たり前!と言われてしまうテーマです。しかしながらこの”違い”をちゃんと理解して実践できているビジネスパーソンは少ないことに驚かされます。


広辞苑に従うと問題は「研究・論議して解決すべき事柄」、課題は「題・問題を課すること」とあります。これだけでは確かにその違いはよく分からないですね。結局、問題と課題は一緒なのか?という誤認が生じてしまうのも無理はありません。

しかしこの問題と課題の違いを理解し使い分けていない、という”問題”を放置してしまっている組織は以外に多いのです。


問題と課題の違いを理解して使い分けを実践できている人や組織は・・・


  • 問題の本質を見抜き解決させる力があるのでループ状態に陥りません

  • 目標達成を繰り返し、チャレンジングな目標に挑む姿勢を持っています




一方で問題と課題を混同してしまっている人や組織は・・・

  • 問題の本質が解消されず、会議は同じ議題の繰り返しで鬱積が溜まる

  • 目標達成にいつも苦しみ、チャレンジを避けようとする

前者と後者の差をどのように感じますか? 現場を預かり職場に潜む問題を解決させ、組織目標の達成責任を持つマネジャーが後者だと、その組織は致命傷を負ってしまう恐れすらあります。上記のように分岐が生じてしまう理由を以下に解説します。


問題は万人に、課題は自分事

念のためのおさらい。問題とはあるべき状態や目標と現状とのギャップのことを指します。「問題は万人」とは、右図にあるギャップを認識できるなら誰にとっても「これは問題だね」と言えることを指しています。


「問題を課すること」が課題なので、第1にその問題は私や私たち自身がどうにかできる問題であること、第2に解決させる意思を持つこと、第3に解決させる範囲を特定すること、

この3要素が揃ってはじめて課題と言えます。「課題は自分事」とは、問題を自分のものとして捉えていることを指しています。

課題には緻密なプロセスがある

前述の3要素についてさらに詳しく解説します。

第1の私や私たちにどうにかできる問題である、とするためには問題の原因は何かを突き止められている必要があります。問題の原因にアプローチが可能であるならば課題になり得るが、自分たちの手には負えない原因であるならばその問題は課題にはなり得ないという分析があるのです。


第2の意思を持つためには、先の見通しが立っている必要があります。つまりは仮説レベルでも良いので解決の方向性やいくつかのシナリオを描いている状態であることです。


そして第3のスコープ(範囲/領域)を定めるためには、解決に必要な時間や資源(人/物/金など)は何かを洗い出し、実行策を立てられている必要があります。

これら3要素を満たすためのプロセスを経て課題は形成されます。


課題とは問題の一部または全部であって、解決させる意思と解決策を持てている事柄

そして誰の課題なのか、その所有者が明らかであることが要件です。


マネジャーは課題形成の達人であるべし

問題を分解/分析して原因を突き止め、解決策を導くまでが課題形成である、という解説をしました。

課題を形成して方策を実行する取り組みをよくよく考えてみると、目標達成に向けた活動と酷似なんですね。つまりは課題形成の上手なマネジャーは、目標達成に向けたシナリオを描くことにも長けていると言えるのです。勿論、課題解決を実現するためには、打ち出した方策は有効か否か、目論見から外れていると判断したならば機を逃さず善後策を打つなど結果にコミットする必要があるのは言うまでもありません。


いかがでしょう、タイトルの理由は整理できましたか?

問題と課題の違いを理解し使い分けをしないと、問題解決に近づき難くなってしまうメカニズムについて解説しました。

ヒュートレックスでは課題形成力を高めるマネジャー向けプログラムもご提供しています。




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