空前の契約条件でドジャースへの移籍に連日話題の尽きない大谷翔平選手。
彼の去就とキャリア自律について考察を書いてみます。
大谷翔平はキャリア自律のお手本
大谷翔平は私たちビジネスパーソンがお手本にするべき「キャリア自律」の姿です。その理由は後述しますが大谷選手が成したことを真似るのは困難でも、彼の考え方や姿勢、取り組みは是非真似をしたいものです。
ChatGPT君に「キャリア自律とは?」を問うと次のように返ってきます。
自らの方向性や意思決定に対して主体性を持ち、自己責任で進んでいく能力や概念。個人が自分のキャリアを計画し、進化させること。
キャリア自律の特徴には、
・自己認識
・目標設定と計画
・学習とスキルの向上
・リーダーシップと意思決定
・柔軟性と適応力
・ワーク・ライフ・バランス
の6つが含まれる、とされています。
大谷選手は見事にすべてを満たしていると言えますね。パート・アルバイトの求人サイト「バイトル」を運営するディップ社のブランドアンバサダーに就任した際の対談では、「平穏な生活がしたい」という結婚観についても触れていましたから「ワーク・ライフ・バランス」もきっちり保たれることでしょう。
フィジカルよりもメンタル
大谷選手が高校一年生の時に書いた「目標シート(マンダラチャート)」は有名ですね。描いたことをいくつも現実のものにしている様を目の当たりにすると、改めてビジョンや目標を具体的に言語化すること、口外することの価値を感じずにはいられません。
大谷選手のフィジカルは規格外だと評価されています。フィジカルを鍛えるためのトレーニングや良好な生活習慣の徹底は言うまでもないのでしょう。
先の目標シートを見れば、彼の傑出さを支えているのはメンタルの強さにあるのではないでしょうか。目標を達成させるための要件を緻密に、かつ具体的にするためには論理的に考え解を導く必要があります。
大谷翔平の優れた思考力と実行力がメンタルの強さなのだと思います。
経済的成功よりもチームへのコミットメント
「10年総額1,015億の年俸」「97%は後払い」「オーナーと編成本部長が存続する間はオプトアウト出来ない」、この3つを並べて見れば大谷翔平の目的はワールドシリーズ優勝に貢献すること、彼はこの一点に自己実現の姿を置いていることが分かります。
注目すべきは首脳陣と一蓮托生とも言えるオプトアウトの部分です。キャリア自律の先には能力の向上を起点とする社会的ステイタスの向上や経済力の向上は付き物。もしも大谷翔平が外的経済的キャリア※を重視していたならば、年俸後払いの比率は下げたでしょうし、自由にオプトアウトできる条件に出来たと思います。
※外的経済的キャリアとは…地位や役職、収入を高めることを軸とするもの
ビジネスパーソンにとっての「キャリア自律のお手本」とは、チームへの貢献に対するコミットメントの部分です。もうお分かりの通り、彼が実践しているキャリア自律は球団とのWin-Winを標ぼうしています。とすれば我々ビジネスパーソンが臨むキャリア自律も所属する組織とのWin-Winの中に自己実現の姿を描きたいものです。
外的経済的キャリアは安定や自由、豊かさ、そして自己肯定感をもたらしてくれるものですから、軽視すべきではありません。一方で外的経済的キャリアに拘るあまり、転職を念頭に置いたキャリア形成は個人にとって本当に最善なのでしょうか?
相互依存の関係が組織をより強固にする
大谷翔平が示したキャリアビジョンは、チームの団結と勝利へのモチベーションに大きな影響を与えることでしょう。”チームのための私”という大谷翔平が示すキャリア自律は、チームとの相互依存の関係を生み、個人と組織をより強くするのです。
これからのビジネスパーソンに求められるキャリア自律とは、組織との相互依存の関係を築き、組織の中で最大のパフォーマンスを発揮する過程の先にキャリアビジョンを描くこと。ゆえに組織は従業員のキャリア充足のための環境や機会の提供が不可欠となるのです。
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